2025.06.19

なぜ今、「木造」の福祉施設を選ぶのか?コストと価値を最大化する秘訣

新しく福祉施設を建てたいけれど、どんな構造が良いのだろう?」 「最近よく聞く『木造の福祉施設』って、鉄骨やコンクリートと比べて何が良いの?」 「木造だと火事や地震が心配だし、コストも高そう…。実際のところはどうなんだろう?」

福祉施設の建設を計画される中で、建物の構造選びは非常に重要なテーマです。特に近年、環境への配慮や利用者の快適性を重視する観点から木造の福祉施設への関心が高まっています。しかしその一方で、安全性やコスト、法律の規制など、専門的な情報が不足しているために、具体的な検討に踏み出せないでいる事業者様も多いのではないでしょうか。

この記事では、大規模木造建築を取り扱う南日本ハウスが、「木造 福祉施設」のメリット・デメリットから、建設コスト、関連法規、補助金の活用に至るまで、あらゆる角度から徹底的に解説します。

この記事を読めば、木造の福祉施設がなぜ今注目されているのか、その具体的なメリットや懸念点への対策、建設を実現するためのポイントがすべて分かります。

福祉施設の建設や建て替えを検討中の社会福祉法人・医療法人の経営者の方、施設の設計に関わるご担当者様、そして利用者にとって本当に良い環境とは何かを追求している方はぜひ最後まで読んでみてください!

◆なぜ今「木造 福祉施設」が選ばれるのか?注目の背景◆

近年、高齢者施設や障害者支援施設、保育園といった幅広い分野で木造での福祉施設の採用事例が増えています。単なる流行ではなく、そこには時代の要請とも言える明確な理由があります。「木造 福祉施設」がこれほどまでに注目を集める社会的背景について、詳しく見ていきましょう。

〇国の木材利用促進と「木造 福祉施設」

木造の福祉施設が注目される大きな理由の一つに、国の積極的な後押しがあります。政府は、森林資源の有効活用や林業の活性化、循環型社会の形成を目指し、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市の木造化推進法)」などを通じて、建築物への木材利用を強力に推進しています。かつては公共建築物が中心でしたが、現在では民間建築物への木材利用も奨励されており、福祉施設もその対象です。この国策を背景に、木造で福祉施設を建設する際には、補助金の上乗せや税制上の優遇措置を受けられるケースが増えており、事業者にとって木造での福祉施設は経済的なメリットも大きい選択肢となっています。

〇SDGs・脱炭素社会への貢献と「木造 福祉施設」

企業の社会的責任が問われる現代において、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献は無視できないテーマです。木材は、製造・加工時のエネルギー消費量が鉄やコンクリートに比べて格段に少なく、CO2排出量の削減に大きく貢献します。また、木は成長過程でCO2を吸収・貯蔵するため、「第二の森林」とも呼ばれ、木造建築を増やすこと自体が地球温暖化対策に繋がります。事業として「木造 福祉施設」を選択することは、環境に配慮した経営姿勢を社会に示すことになり、企業のブランドイメージ向上にも寄与します。利用者やその家族、地域社会からの信頼を得る上でも、「木造 福祉施設」という選択は非常に有効です。

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◆「木造 福祉施設」のメリット:心と経営に優しい理由◆

「木造 福祉施設」が選ばれる理由は、社会的な背景だけではありません。利用者、職員、そして経営者の三方にとって、具体的で大きなメリットが存在します。ここでは、「木造 福祉施設」がもたらす心と経営への優しさについて、4つの側面から詳しく解説します。

メリット1:利用者の心身を癒す「木造 福祉施設」の環境

木材には、科学的にも証明された多くの癒やし効果があります。木の温かい手触りや美しい木目は、人の心に安らぎを与え、ストレスを軽減する効果が報告されています。また、木が発する「フィトンチッド」という香り成分には、リラックス効果や抗菌・防虫効果があります。「木造 福祉施設」は、まるで森林浴をしているかのような快適な空間を提供し、利用者の情緒を安定させ、穏やかな日々をサポートします。さらに、木材は適度な弾力性を持つため、万が一転倒した際の衝撃を和らげる効果も期待でき、高齢者や子どもたちの安全確保にも繋がるのです。

メリット2:コスト・工期面での「木造 福祉施設」の優位性

「木造 福祉施設」は、経営面でも大きなメリットがあります。一般的に、木造は鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造と比較して、坪単価を抑えられる傾向にあります。これは、材料費に加え、木材が軽量であるために基礎工事を簡略化できることなどが理由です。また、工場で部材を精密に加工し、現場で組み立てるプレカット工法を用いることで、現場作業の効率が大幅に向上し、工期を短縮できます。工期が短くなれば、人件費や仮設費用などの間接的なコストも削減でき、施設の早期開業による収益機会の創出にも繋がります。初期投資と建設期間の両面で、「木造 福祉施設」は優れたコストパフォーマンスを発揮します。

参考価格表

メリット3:設計の自由度とデザイン性が高い「木造 福祉施設」

木材は加工性に優れており、他の構造に比べて設計の自由度が高いという特長があります。柱や梁の現し(構造材を敢えて見せるデザイン)や、曲線的なデザインの採用など、温かみがありながらも洗練された空間を創造することが可能です。「木造 福祉施設」では、法人の理念や地域性、利用者の特性に合わせた、画一的でないオリジナリティあふれる建築デザインを実現できます。例えば、地域産材をふんだんに使用した施設は、地域との繋がりを象徴し、利用者の愛着を育むでしょう。デザイン性の高い快適な空間は、職員の労働意欲向上や人材確保の面でもプラスに働きます。

メリット4:補助金制度と「木造 福祉施設」の親和性

前述の通り、国や自治体は木材利用を促進しており、「木造 福祉施設」の建設は様々な補助金制度の対象となりやすいという大きなメリットがあります。特に、地域医療介護総合確保基金などの福祉施設整備に関する補助金において、木造化・木質化が加点評価されたり、補助率が上乗せされたりするケースが少なくありません。これらの補助金を最大限に活用することで、建設に関わる初期投資を大幅に軽減することが可能です。補助金の申請には専門的な知識が必要ですが、木造建築と補助金申請に精通した建設会社をパートナーに選ぶことで、このメリットを確実に享受し、より質の高い「木造 福祉施設」の実現を目指せます。

「木造 福祉施設」のデメリットと専門家による対策

多くのメリットがある一方で、「木造 福祉施設」には、古くから持たれているイメージによる懸念点も存在します。しかし、これらのデメリットは現代の建築技術によって克服可能です。ここでは、代表的な懸念点と、私たち専門家が講じる具体的な対策について解説します。

デメリット1:火災への懸念と「木造 福祉施設」の耐火技術

「木は燃えやすい」というイメージから、火災時の安全性を心配される方は少なくありません。しかし、現在の「木造 福祉施設」は、最新の技術と厳しい法規制により、鉄骨造にも劣らない高い安全性を確保しています。例えば、断面の大きい木材は、火にさらされても表面が燃えて炭化層を形成し、内部まで火が進行するのを遅らせる「燃えしろ設計」という考え方があります。これにより、建物がすぐに倒壊することなく、避難時間を十分に確保できます。さらに、石膏ボードなどの不燃材で構造体を覆う「耐火被覆」や、国の認定を受けた様々な耐火構造の仕様があり、これらを適切に選択・設計することで、「木造 福祉施設」でも法律で定められた耐火建築物を建設することが可能です。

デメリット2:耐久性・維持管理と「木造 福祉施設」

「木造は鉄骨やコンクリートに比べて寿命が短いのでは?」という疑問もよく伺います。確かに、木材は湿気やシロアリに弱いという性質がありますが、これも適切な対策で十分にカバーできます。建設時には、地面からの湿気を防ぐ基礎設計や、防腐・防蟻処理を施した木材を使用します。また、雨水の侵入を防ぐための防水設計や、定期的な点検・メンテナンス計画を策定することが「木造 福祉施設」の長寿命化には不可欠です。法隆寺が1300年以上もの時を経て現存しているように、木材は適切な管理を行えば非常に長い期間その強度を保つことができる優れた建材なのです。長期的な視点に立った設計と維持管理こそが、資産価値の高い「木造 福祉施設」を実現します。

デメリット3:遮音性と「木造 福祉施設」のプライバシー確保

福祉施設では、利用者のプライバシー保護や静穏な環境の確保が極めて重要です。木造は壁が薄いイメージから、遮音性を心配されることがあります。特に、居室間の音漏れや、上階の足音などは、集団生活においてストレスの原因となりかねません。この課題に対し、「木造 福祉施設」では様々な対策を講じます。壁や床の内部に高性能な遮音材や吸音材を充填したり、壁や床を二重構造にして音の伝達を物理的に遮断したりする方法が有効です。また、サッシに防音性能の高いものを採用することも効果的です。これらの対策を適切に組み合わせることで、「木造 福祉施設」でもRC造と同等レベルの高い遮音性能を実現し、利用者が安心して過ごせる環境を確保できます。

◆「木造 福祉施設」の建設に関わる法律・規制のポイント◆

福祉施設の建設は、利用者の安全を確保するため、建築基準法や消防法など、多くの法律によって厳しく規制されています。特に「木造 福祉施設」を建てる際には、木造特有の規制を正しく理解し、設計に反映させることが不可欠です。ここでは、特に重要な2つのポイントについて解説します。

〇建築基準法における「木造 福祉施設」の耐火要件

福祉施設は、火災時に自力での避難が難しい方が利用するため、建築基準法で「特殊建築物」に分類され、建物の規模や階数に応じて高い耐火性能が求められます。多くの「木造 福祉施設」は、「耐火建築物」または「準耐火建築物」として建設する必要があります。かつては木造でこれらの厳しい基準をクリアすることは困難でしたが、前述したような耐火技術の進歩により、現在では木造でも3階建て以上の「木造 福祉施設」や、大規模な「木造 福祉施設」の建設が可能になっています。どの耐火要件が適用されるかは、施設の用途や規模によって細かく規定されているため、計画の初期段階で専門家と共に確認することが極めて重要です。

〇福祉施設特有のバリアフリー設計と「木造 福祉施設」

高齢者や障害者が安全かつ快適に利用できるよう、福祉施設には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」に基づいた設計が求められます。廊下の幅、手すりの設置、段差の解消、車椅子で利用しやすいトイレの設置などが義務付けられています。木材は加工性に優れているため、こうしたバリアフリー設計に柔軟に対応しやすいという利点があります。例えば、利用者の身体状況に合わせて手すりの形状や高さを細かく調整したり、温かみのある木製建具を採用したりすることで、機能性だけでなく、利用者の心にも寄り添った空間づくりが可能です。「木造 福祉施設」は、法律の要件を満たすだけでなく、それを超えた真のユニバーサルデザインを実現する可能性を秘めています。

◇まとめ◇

この記事では、大規模木造建築で多くの実績を持つ南日本ハウスが、「木造 福祉施設」について、そのメリット・デメリットから法律、コスト、そして実際の効果まで、網羅的に解説しました。

「木造 福祉施設」は、国の木材利用促進やSDGsへの貢献といった社会的な要請に応えるだけでなく、利用者や職員の心身に良い影響を与え、経営面でもコストや工期、補助金活用において多くのメリットをもたらします。火災や耐久性、遮音性といった懸念点も、現代の建築技術と適切な設計・管理によって十分に克服可能です。

福祉施設の建設は、建築基準法やバリアフリー法など、多くの法律を遵守する必要がありますが、木造建築はこれらの要件に柔軟に対応しつつ、温かみのある空間を実現できる優れた選択肢です。

「木造 福祉施設」の建設は、コストや法規制だけでなく、そこで過ごす人々の心の豊かさまで考慮した、未来への投資と言えるでしょう。南日本ハウスでは、事業者様の理念を形にする、安全で温かみのある木造福祉施設の建築を、計画段階からワンストップでサポートいたします。ご興味のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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